子供にも安心して食べさせたいパンのこと

パンが焼き上がると、工房の中にふわっと広がる香ばしい匂い。焼き上がったオーブンを開けた瞬間が、1番好きです。
でも、この「パン」という食べものを、本当に安心して子どもに食べさせられるだろうか?
そう自分に問いはじめたのは、ある日コンビニで買ったパンの裏を見たときでした。
コンビニのパン、原材料表示をみていますか?

学生のころコンビニで買っていた100円ほどのパン。
ふと裏面の原材料表示を見てみると、見慣れないカタカナや英語、聞きなれない添加物の名前がずらりと並んでいました。
「pH調整剤」「乳化剤」「香料」「酵母エキス」「膨張剤」……。
菓子パンも、ふんわり仕上げるための柔らかさの裏側に、見えないものがたくさん入っていることに気づきました。
子どもが生まれてからは、どもが毎日口にするものだと思うと、「これは何?」「どうして入っているの?」と疑問が湧いてきました。
見てもよく分からないものを、子どもに食べさせていいものだろうか、ふと抵抗を感じるようになったのです。
パンを“選ぶ”から“つくる”へ

そんな小さな気づきから、私は少しずつ、自分でパンを焼くようになりました。
もちろん、最初はうまく焼けないし、時間もかかる。
でも「このパンには、何が入っているのか全部わかっている」という安心感は、何にも代えがたいものでした。
そして、素材そのものの味や性質に、自然と目を向けるようになったのです。
素材の力を信じて焼くパン

私が使っている主な素材は次の4つです。
- 北海道産小麦(春よ恋など)
- てんさい糖(北海道のビートから作られる甘味料)
- よつ葉バター(乳化剤・保存料不使用)
- ホシノ天然酵母(日本古来の醸造技術の発酵種)
これらはどれも「子どもに安心して食べさせられるか?」を軸に選んだものです。
◯ 国産小麦は、風味と安心感のバランス
海外産の小麦に比べてモチモチ感や香りが強く、添加物で補わなくても、粉そのものの味が生きるのが魅力です。輸送時の防カビ剤やポストハーベスト農薬の心配もなく、信頼できる産地のものを選べるのも理由の一つ。
◯ てんさい糖は、やさしい甘さと体への思いやり
白砂糖ではなく、北海道産のてんさい(砂糖大根)から作られた甘み。
ミネラルが豊富で、体を冷やさない性質があるとされており、小さな子どもにも安心して使えます。やわらかな甘みが、素材の味を引き立ててくれます。
◯ よつ葉バターのピュアなコク
乳化剤や保存料が入っていない無塩バター。
余計な香りや味がしないからこそ、小麦や酵母の風味と調和してくれます。
◯ 日本古来の醸造方法のホシノ天然酵母
市販のドライイーストのような即効性はないけれど、「生きている素材」と向き合っている感覚があります。
発酵種を起こすと、やさしい甘みのお酒のような香りがします。
子どもの未来に届けたいもの

毎日食べるパンが安心できるものは、きっと日々の暮らしはもっと心地よくなる。
子どもが口にするものは、子どもの未来につながっています。「素材を選ぶ」という行為は、その未来を支える、小さな選択の積み重ねだと私は思っています。

パネッテリアラテでは、ネット販売も行っています。
初めての方にも安心してご注文いただけるよう、「天然酵母のおまかせパンセット」もご用意しています。
パンは、毎日食べるからこそ“安心できるもの”を。
素材のちからを大切にしたパンを、ぜひ一度お試しください。